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98歳の女性の今

昨日のブログに書いたように、98歳の女性の話。

現在、要介護1。
月2回、訪問医療を受けている。


看護師が便検査の容器を置いていった。
いつまでも、その容器が置いてあるので、息子は母親に言った。
さっさと、採れと。
その時の母親から返ってきた言葉。
「この年になって、病気をみつけてどうするんだ。病気が見つかっても、手術はできないんだから、ほおっておけ」
そして、その容器が使われることなく、1か月が過ぎた。
つまりその間、2度訪問診療を受けている。
母親は息子に言った。
「どうしても採れというなら、採るしかないと思っていたが、2回医者が来ても、医者も看護婦も忘れていて便の事なんて何にも言わない。その程度だ。あの医者はボケているんじゃないか?」

私は爆笑。


医者がデイケアに行くように何度も勧める。
日中、一人でいるよりは・・・と息子も勧める。
母親がその時返した言葉を要約すると。
・・・賑やかなところは好きだが、知らない人がいる賑やかなところは嫌いだ。
だいたい年寄りは、嫁の文句と孫の話しかしない。
知り合いがいう嫁の文句は、吐き出せば気が楽になるだろうと思うから聞いていられるが、知らない人の嫁の文句と孫の自慢は聞いてられない。
そもそも、嫁の文句は言うが息子のことは悪く言わない。嫁ができそこないなのは息子が悪い!・・・・

この話にも私は爆笑。


かなり長い期間、すぐ止まるが時々鼻血が出ていた。
病院には行かなかった。
訪問診療の時の医者には話していたが、対処されたのは出血した時の応急処置の方法のみ。
ヘルパ―さんが来ているときに大量の出血があって、仕事中の息子が呼び出され、急いで帰宅してすぐに耳鼻科を受診した。
鼻の入り口の血管が切れていて、止血のため焼いてもらった。
鼻血は治まった。
これには、オチがある。
鼻血が出るようになる前、美容院に行った。
顔そりも頼んで、鼻毛が出ていたのでカットしてくれた。
その時、チクッとしたのでたぶんあれが鼻血の原因だというようなことを、耳鼻科を受診した後に母親は言った。
息子は、なんでもっと早く言わないんだ~!!と母親を怒った。
そして・・・・・息子は、自分の鼻毛用の鋏を持ってきて見せて、こういうハサミを使ったか?と聞いた。
母親は眠っていたから覚えていない。
鼻毛用の鋏は先が・・・・・・・・・・以下略。(笑)
これからは、こういうハサミを使っているかよく見ておくように!

私は言った。
「あはは~、鼻毛用のハサミの話だったのね~」



息子は18歳で家を出ているから、何十年も経ての母親との同居。
母親は息子の知らない昔の話をよくしてくれる。
父親の鉄砲と釣りが趣味だった話をしてくれた時の事。
母親は笑いながら、言った。
『「鉄砲」と「釣り」の間に「女」だ 』



息子である知人は笑いながら母親の話をするから、常に私も爆笑してしまう。
心底、面白いお母さんだと思う。
98歳という年で、このユーモアセンスに脱帽。



体の弱かった夫の替わりに肉体労働で働き続けて4人の子供を育てた人。
頭でっかちの知性を自慢したり、学歴を自慢したり、夫や息子の仕事を自慢したりとは無縁の世界で生きてきた人。
そういうものは年をとれば無用だ。
確固たる生きる自信と覚悟とを持っている人。

ちなみに鼻血の時は、自分はこうやって死んでいくのだなと腹をくくったと言ったそうだ。
オチがオチだけれど。(笑)


ずっと長生きして、老老介護の悲惨さとは無縁の、母と息子の親子漫才をしながら暮らしてほしい。





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